宮城麻里子の「Champagneful」

写真は

シェトランドシープドッグのウィリー。

正式には

うちの3代目ウィリー。

私が初めて飼った犬で、

うちに一番長くいた犬です。


20年も前に逝ってしまった彼と、

ようやく会うことができました。

うちの近くの坂の上で。


ウィリーとは小学校3年生のときから一緒でした。

餌をあげながら

毎日、学校で合った出来事や悩み事などを

聞いてもらっていました。

「ねぇ、ウィリー、今日ねぇ・・・」

ウィリーは我慢して聞いてくれていたのかな。

友達とけんかしたこと、

両親に怒られたこと、

好きな人のこと。

色々話してました。笑。



7年後、私は高校生。

初めてのデートにうきうきして出かけた夜。

帰ってきてもウィリーにご飯をあげることも忘れて

眠りにつきました。

実は、彼はこの頃ずっと具合が悪そうでした。

でも、

病院に連れて行かなきゃと言いつつ

私は青春のまぶしさに気をとられ、

ウィリーのことは後回しになっていました。


翌朝。

というか、翌日の昼近く。


父が冷たくなっていたウィリーを見つけました。


後悔しました。

後悔ばかりでした。

最後の朝ごはんもあげにいかなかった。

一人で寂しく死なせてしまった。

後悔ばっかりでした。



それから時が経ち、私は３０歳。

初めて会った方に、

私はなぜかウィリーの話をし、

そして

「あなたが持ち続けている後悔の想いのせいで

あなたの犬は天国にいけないみたい。

いい加減、天国に逝かせてあげなさい。」

と言われました。


真偽のほどはさておき、

私は後悔することを止めることにしました。

天国に行って欲しかったから。




先日　坂の上で会ったシェトランドシープドッグ。

飼い主さんとお散歩中。

楽しそうでした。

20年振りに

「ウィリー」って呼びかけてみました。

小さい声で。

なんと、その犬、振り向きました！

通り過ぎて、

もう一度呼んでみました。もちろん聞こえないくらいの声で。

なんと、またまた振り向きました！！

しばらく見つめあいました。

「ウィリーなの？

　おまえ、幸せなんだね。」


そのワンちゃんが何と答えたのかは・・・

分かりません。


でもうれしかった！

ウィリーに会えた気がしてうれしかった。

とってもうれしかった。

幸せそうでうれしかった。




最近の私の、

なんてことない話です。


さて、飲みに行ってこよ。